ちょっと、くりえいてぃぶ〜お化け屋敷編〜

03/22 FRI:EVENT

クリエイティブにまつわるワークショップを通じて得た知識を活かして、お化け屋敷をつくるイベント「ちょっと、くりえいてぃぶ~お化け屋敷編~」を開催しました。

5時間という長時間のイベントにも関わらず、参加者は疲れを見せることもなく、むしろ段々と盛り上がっていくという不思議なイベント。そんな「ちょっと、くりえいてぃぶ」のイベントレポートをお届けします。

学んだことを一度頭の中で解体して、目的に合わせて再構築する。

今回の企画の趣旨は「作品をつくるとき、自分の頭の中で考えたことをそのまま出すのではなく、かといって説明書通りに真似るのでもなく、学んだことを一度頭の中で解体して、目的に合わせて再構築する。」ということでした。

そこで、前半はクリエイティブにまつわるワークショップ、後半は「お化け屋敷」をつくるという2部構成にし、学んだことを再構築できるようなイベントを目指しました。

今回は3つのミニ・ワークショップを行いました。

1つ目は「不自由あそびをやってみよう」というワークショップ。自分たちでゲームをつくるときに、制限から考えることで面白いシステムが生まれるという理解をすることを目的としています。

まずは、紐を使って何が出来るかという実践をしていきます。紐を使ったワークショップとして「ブラインドスクエア」という有名なゲームがあります。目隠しをした参加者が声を掛け合い、一本のロープを真四角にすることを目指すゲームです。

このように紐という単純な日用品であっても、"目が見えない"というだけでゲームとして成立するようなことがある。単純でも、目が見えない耳が聞こえない、時間制限がある、強力プレイが必要などの制限によって、難易度は途端に高くなりゲーム性を帯びる。
それを参加者に伝えたあと、紐を使ってどんな遊びが出来るかをみんなで考えていきました。

2つ目のワークショップは「妖怪の足音〜アナログ効果音つくり〜」。プラスチックや木、金属、紙などさまざまな素材を観察し、そこから鳴る音を上手く利用して効果音を作ってみようというワークショップです。

雨の音を鳴らすにはプラスチックのカップに塩を落とすように、効果音の作り方を見ていると、実際に鳴らしたい音を作るためには、予想も出来ない物を使う必要があることが分かります。ですから、音作りはトライアンドエラーで想像力を掻き立てていかなければなりません。
今回は「妖怪の足音」をイメージして作ってみようという課題のもと、会場周辺を巡り、石ころや砂、草木などを拾い集めて、鳴りそうな音をイメージしていきます。そして、集めたものを組み合わせて音を作っていきます。また、これがどのように恐怖に繋がるか、驚かせるヒントになるかも考えながら音を組み立てていきます。

そして完成。缶に石ころを入れて鐘のような音を作るなど、さまざまな音が出来ました。
ちなみに、筆者が一番面白いと思ったのは、「枯葉がカサカサとなることで透明な足の妖怪が通り過ぎたことを表現する」という音です。

最後のワークショップは「■と■の組み合わせ~かんさつのものづくり~」というものです。会場に置かれた大量の段ボール箱を組み合わせながら、お化け屋敷に利用できそうな美術品を作っていきます。
基本ルールとしては、段ボールは切ったり壊したりしてはならず、組み合わせることしかできません。ですから、足し算で作品を作っていく必要があります。

スタートと同時にそれぞれが個性ある形の物を作っていきます。それ故に、皆何を作っているのか全くイメージが出来ません。着色は最後なので、スタッフも何が出来るか分からない状態でただ見守っているだけでした。あっという間に制限時間になりましたが、まだやり足りない様子の参加者。作品も完成していません。作業はつくるパートへ持ち越しになりました。

予想を超えた盛り上がり、延長戦へ突入したお化け屋敷つくり。

ワークショップは終了し、休憩を挟んでつくるパートへ。ワークショップで学んだことや考えたことを活かせるでしょうか…。

改めて、お化け屋敷で作らなければならないものを確認します。スタッフが作ったものは動線と数個の怖いセットのみ。来場者を驚かせる怖い仕組みはまだあまり設置されていません。
これからの課題は、残りの2時間半で怖い仕組みを作っていくことでした。

まずは、最後のワークショップ「■と■の組み合わせ~かんさつのものづくり〜」で作った段ボールの作品を完成させることからとりかかります。スタッフ総出で色を塗りながら、ワークショップの時には全く分からなかった、参加者が作りたかったものが段々明らかになっていきます。「ミッションを考慮し、組み合わせないと完成しない作品」であったり、「オリジナルのキャラクターデザインが施された妖怪の作品」であったり、「有名なゲームキャラクターを模した等身大サイズの作品」であったり、企画者も驚くさまざまなアイデアが拡がっていました。

実はこのイベント、段ボール作品を完成させることでいっぱいいっぱいになり、時間が足りませんでした。というわけで、当然のように延長線に突入。
延長戦では、主にびっくり要素や雰囲気を演出する美術を作っていきます。お札を作って貼ったり、壁から手が出てきたり……最終的には21時ごろまで作業し(なんと7時間!)、皆のアイデアが詰め込まれた、予想よりも怖いお化け屋敷が完成しました。

翌日、完成したお化け屋敷にたくさんの来場者が入っていきます。参加者も驚かせる役割に回ったりと、皆で協力しながら運営も行います。
最終入場者は70人超え。泣き叫ぶ声が会場まわりに響き渡り、途中でリタイアした来場者も現れるなど、予想を超えた盛り上がりとなりました。

概要

アーティストや職人の活動などから“ちょっとだけ”知識を手にして実践するクリエイティブイベント。

前半は謎解きつくりなどのクリエイティブにまつわるワークショップに参加。企画の基礎やアイデアの考え方をつくりながら学んていきます。
後半は「おばけやしき」つくり。前半のワークショップで学んだことを活かしながら、講師・スタッフとともにクオリティの高いオリジナルなおばけやしきの完成を目指します。

会場となるのは「ふたば学舎」。閉校となった小学校を利用し、懐かしい雰囲気が残る施設です。
地域住民の憩いの場であるのと同時に、たくさんのプログラムが開催されています。今回は、ふたば小学校内の教室を利用して「おばけやしき」をつくるため、まるで文化祭でクラスメイトが一体となって共同制作をするような懐かしさも同時に味わえます。
また、参加者で作り上げた「おばけやしき」はイベント翌日の3月23日、24日の2日間にわたり公開・展示される予定です。
大人も子供も、クリエイティブに携わる人もそうでない人も、アイデアの出し方や考え方のコツや基礎を学びませんか。

[まなぶ・つくる]
日時:2024年 3月22日(金) 14:00-19:00
対象年齢:小学校高学年以上
料金:1500円
タイムスケジュール:
14:00-16:00 しくみをまなぶ
16:00-16:30 休憩
16:30-19:00 おばけやしきをつくる
※ 進み具合によりイベント終了時間が前後する可能性があります。

[みせる]
日時:2024年3月23日(土), 24日(日) 11:00-15:00
対象年齢:全年齢
料金:無料
※ どなた様でもご予約なくお越しいただけます。

会場:〒653-0042 兵庫県神戸市長田区二葉町7丁目1−18ふたば学舎

主催:合同会社maane
共催:NPO法人ふたば

CREDIT

司会進行:村山 浩規 沖 健汰

プロデューサー・企画:沖 健汰
イベントディレクター:村山 浩規
アートディレクタ―・デザイン:沖 健汰
メインビジュアルデザイン:三木 亮弥 廣森 小吾郎 
お化け屋敷ディレクター:三木 亮弥

宣伝:沖 健汰
運営:石井 杏奈 岩下 文香 三木 亮弥 廣森 小吾郎 竹内 浩太郎